FXの取引を行うにあたって、必要になるもののひとつといえば「FX取引用の口座」です。
とはいえ、FX口座を提供している業者は、日本国内にたくさんあります。
DMM FXや外為オンライン、GMOクリック証券、SBI FXトレード……と、名前を挙げていけばキリがありません。
国内だけで少なくとも10社以上はFX業者があるいま、結局のところどこを選べばいいのか、わからなくなりますよね。
FX業者選びで大事と言われている点はいくつかありますが、スプレッドや各種手数料よりも重要なのは「業者の信頼度」です。
いくらスプレッドが狭くても手数料が安くても、業者自体の財務状況や、破綻してしまった場合の資金のゆくえが不明瞭では、安心して使うことはできませんよね。
そこで、今回は「業者の信頼度」を知るために必ずチェックしておくべき4つの点を紹介します!
まずは、この4つでFX業者を判断してみよう!
1. 信託保全の範囲
私たち日本人は、金融機関の存在は絶対だと勘違いしがちです。
そのため、「破綻するリスク」を考えられる人は非常に少ないのではないでしょうか。
この点は、FX業者も同じリスクを背負っています。
例えば2015年1月15日に起こったスイスフランの暴騰(スイスフランショック)により、アルパリ・グループの日本法人「アルパリジャパン」は破綻してしまいました。
使っていた業者が破綻した、と聞くと、まず考えるのは「預けた証拠金や出ていた利益はどうなるの?!」ということでしょう。
日本で営業をしているFX業者は、顧客の資産を保護するために、信託保全という制度を取り入れることが義務付けられています。
信託保全とは、顧客から預かったお金は別途提携している信託銀行に預け、業者の資金とは別に管理する方法です。
こうすることによって、もしも業者が破綻してしまっても、顧客の預けていた資金はそのまま信託銀行に残っていることになりますので、信託銀行から預けた資金分が全て返却されます。
前述したアルパリジャパンでもこの信託保全はしっかりと行われていましたので、アルパリジャパンで取引をしていた顧客の資産は完全信託保全により無事返却されました。
なお、信託保全には「範囲」というものがあり、その範囲は業者によっても異なります。
■ 完全信託保全
<引用元:信託保全|GMOクリック証券>
多くの国内業者が採用している制度です。
取引先となるFX会社に預け入れた顧客資産は、第三者の金融機関が個別で管理し、FX会社が破綻した時には提携金融機関から資産が返還されます。
ただし、どこまで保全されるかの範囲は業者ごとに違い、「証拠金のみ」というところや、「証拠金や未約定ポジション、スワップポイント、手数料」と、その範囲は異なります。
■ 一部信託保全
顧客資産の一部をFX会社が管理し、残りの一部を第三者の金融機関が管理する制度です。
海外FX業者では主流となっており、仮に破綻すれば資産が全額戻ってこない可能性も考えられます。
ただし未返却率は限定的と言えるでしょう。
■ 分別保管
FX会社が顧客の資産を管理しているため、破綻すると投資家は債権者という立場に変わります。
投資家の資産は差し押さえの対象となりますので、お金がほとんど返ってこなかったという事例すらあります。
2. 自己資本比率
「自己資本比率」とは、会社の信用力や安定性を示す数値です。
「自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100」という計算により算出することが出来ます。
この自己資本比率が140%を下回ると金融庁へ届け出なければならず、120%を下回ると新規の口座開設が行えなくなってしまいます。
そのため、国内のFX業者は金融庁検査をクリアするために、常に自己資本比率を意識しながら営業活動をしています。
そのため規定の数値を達成できない会社は少ないと言えるでしょう。
また数値の高い会社は口座開設誘導(案内)ページなどに大きく掲載していますので、ご自分で計算しなくても大まかな数値は事前に把握できます。
簡単に言えばFX業者の経営状態や財務状態を表す数値ですので、将来的な破綻リスクを抑えることに繋がるでしょう。
3. 約定力
スワップポイント(金利)狙いの長期取引ではなく、スキャルピングやデイトレードといった短期の取引によって利益を狙うのであれば、その会社特有の約定力に着目すると良いでしょう。
約定力とは、自分が発注した注文がどれだけ正常に通るのかを指しています。
例えば為替レートは、日々発表される統計データに大きく左右されます。
貿易収支が発表されれば、瞬間的に取引通貨の価格が上下に動くでしょう。
動きがあるということは、同じ時間帯に世界中のトレーダーが殺到して注文を出しているわけです。
そのため自分の出した注文が、他のトレーダーよりも早く市場に流れるかどうかが損得に直接響いてきます。
この約定力が低いと、自分は「1ドル=80円」のレート時に買い注文を出したつもりなのに、実際には「1ドル=81円」で決定されしまい、損をした……なんてことになってしまいます。
約定能力については、自発的に公表している業者のほうが稀です。
そのため、約定能力については、
- FX業者のサーバーシステム
- 注文方法の簡素化
- スリッページ
- 口コミや評判
から判断すると良いでしょう。
4. 人気度
信託保全や自己資本比率、約定力といった観点は、結局のところ「業者の人気」に結びつきます。
そのため、これらの項目を調べるのが面倒だったり、セカンドオピニオンとしてなにか基準が欲しい、と言った場合は、業者の人気度や口コミ情報を調べてみましょう。
最近では口コミサイトやSNS、ブログの発達により、実際に使ってみた人が様々な感想や情報を発信しています。
やはり実際に使ってみた人の生の声というのは一番の情報源となりますので、気になる業者があれば「FXプライム 約定力 評判」といったワードで検索をかけてみましょう。
とはいえ、情報が多すぎるのもまた考えものですし、全ての口コミが信頼できるわけでもありません。
そのため、これらの指標を活用する際には、
- 自分はFX業者にどのような点を求めているのか?
- どのような形の取引をしたいのか
をといった点を明確にしておくと、さらに良い選択ができるようになるでしょう。
まとめ
会社の信頼性という面から、ポイントとなる4つの項目を紹介してきました。
ただし最終的には「自分のトレードスタイルはどのようなものか?」が業者を選ぶ上では重要となります。
たとえば金利狙いの人は中長期投資になるでしょうから、あまり約定力にこだわる必要はないでしょう。
対してデイトレードやスキャルピング派の人は、細かい値動きを狙ってサクサクと売り買いをしていく都合上、自己資本比率は二の次でとにかく約定力の高さを優先したほうがいいと言えます。
FXに限らず、何かを選ぶ際には「自分は具体的に何がしたいのか?」「何を目的で行うのか?」ということを明確化する必要があります。
この点をまずはじっくり考えてみてから、FX業者を選んでみれば、自ずと自分の使うべきFX業者が見えてくるはずです。
また、FX口座はいくつ持っていても開設は無料ですし、むしろ取引にまつわる情報源を増やすために複数持っているのが当たり前、というのが現状です。
ですから、ひとまず「使ってみようかな?」と思う業者がいくつか見つかったら、一挙に申し込んでみてから、それぞれの使い勝手を計っていくのも1つの方法と言えます。
なにはともあれ、まずは「口座の開設」をしなければFXの取引はできませんので、サクッと1つは口座を開いてみることをおススメします!
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